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座談会:都筑アートプロジェクトのこころみ

2013年11月10日 センター北グリーンライン高架下会場 動物書道庵にて
出席者:黒田景子(会社員)、戸村孝子(舞台美術家)、藤林文夫(横浜市国際交流協会)、小川智紀(ヨコハマアートサイト)、金井聰和、松本光世(さかえdeつながるアート)、青木陽佳(横浜市芸術文化振興財団)
司会進行:金井聰和、今井紀彰

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都筑アートプロジェクト2013 ニュータウン幻想動物園
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TSUZUKI ART PROJECT 2013 DOCUMENTS
座談会:都筑アートプロジェクトのこころみ
中綴じ冊子/A4版型/22頁/500円/デザイン:本多裕史


金井:今日は展覧会最終日ということでもあり、色々な角度からご意見をお聞きして、今回の展覧会を振り返りつつこのプロジェクトを検証し、今後につなげて行きたいと考えております。今日は元公益財団法人横浜市芸術文化財団の藤林さんと横浜アートサイト調査員の小川さんに来て頂きました。藤林さんはアートサイトの立ち上げに携わった方で、都筑区在住ということもあり色々相談に乗っていただいてます。小川さんは、調査員というよりは、いろいろ話を聞いてくださる相談員といった方が近いかたです。どうぞよろしくお願いします。まずは今回の展示の感想などをお聞かせいただけますでしょうか?

小川智紀(ヨコハマアートサイト).JPG小川:一番は場所が面白いな〜ということです。普段は入れない所にみんなが入って、柵の向こう側からちょっとずつ見ていて、入り口が開いている時に声をかけると何人か入って来たりして、そういえばこういう人たちがこの辺に住んでいるのだと分かったりしました。そういう中で幻想動物園ということで変な動物がいっぱいいたりして。子供って大事なんだと思いましたねー。子供が来るんだったら親御さんやおじいちゃんおばあちゃん世代も来てくれるし。そういう中で作品も、子供だから子供向きに作ったものだけではなく相当毒のあるものもあったりして、それを子供は分かって楽しんでいる、とは言えないかもしれませんが、親はその辺の事情を分かりつつという雰囲気を感じました。日差しが入って今日もぎりぎり天気がいいですけど、こういう明るい中で、屋外でやる、しかも誰かにやらされるんじゃなくてアーティストランで行われ、作家が展覧会の準備から苦労しながら諸々をクリアし、この場所を去年に続き開けられたということはものすごい大きいことじゃないかと思います。ここに来ると晴れているのもありますが、幸せな気分になりますね。

藤林文夫(横浜市国際交流協会.JPG藤林:そうですね。小川さんから普段使えない場所をというお話がありましたが、考えてみるとそもそも、駅などの交通局の関連施設を使いたいと僕の所に相談にきたのが4、5年前でしたか。その時交通局に僕が直接話をしてトントン拍子に話がうまく進んだということがありましたが、それが良い転換点になったのかなという気がします。確かにここは檻みたいな柵があって動物園みたいですね。普通は外から楽しむだけですが、ここではいつの間にか見る人が動物園の檻の中に入っちゃうということなんだろうと思います。先ほど子供の話が出ましたが、僕は大人より子供の方がコンテンポラリーの作品を頭より直感というか感性で理解しているのかなと思っています。非常に素直に反応してるなーというのをオープニングの時に感じました。そういった面では面白いなと思いました。ただ最初から展覧会を見ているものとして気になるのは、民家園、歴博など遺跡を使ったフィールドから街中にシフトして来たことことでエリアが小さくなって来たことです。何故かと言いますと、こういった街中でやるものとしてはもうちょっとインパクトが欲しかったということと、エリアが広がることでもうちょっと面白いことが色々できるのではないかという期待があるからです。

今井:ありがとうございました。これまでお二人がなさってきたことをお話くださいますか?

藤林:僕が文化芸術の世界に仕事として関わり始めたのは、横浜市市民局の文化振興部長の時です。ここで2年仕事をして、その後文化芸術財団に移って通算5年です。横浜アートサイトという事業がスタートしたのは振興部長の時で、職員との業務の中で出来上がった、というのが経緯です。元々地域づくり事業というのがあって、地域の課題の解決にアートが果たす役割をどうつなげていったらよいかということがまずありました。例えば横浜トリエンナーレが開かれていた訳ですが、やはりトリエンナーレのインパクトというものが都心部に限定されているのではないかという反省が生まれ、横浜市全体の地域の中における市民と地域社会との関係を考えた時、もう少し文化芸術の世界をそういった地域のつながりをつくることに活用できないかという発想の中でアートサイトが出来上がってきました。今から7年くらい前から、青葉区、栄区の様にこちらからお願いして活動を立ち上げた所もありますし、緑区の創造の森、都筑アートプロジェクトのように地域で元々活動していたグループに参加をお願いしたところもあります。既存の活動と新規の活動を組み合わせることで横浜市全体でいろんなアートを使った街作りが活発になるのではないかという発想の中で動いてきました。

今井:スゴい計画でしたね。

藤林:計画は夢が大きい程いいでしょ?でも徐々に当初の計画に近いところでやってもらっているところもあると思います。

金井:ありがとうございました。では、小川さんから今年からアートサイトの調査員として関わるようになった経緯などをお話しいただけますか?

小川:都筑アートプロジェクトも含め、今年度の横浜アートサイトの採択事業は19団体あります。今年度の採択が決まったのが7月ぐらいだったのですが、同じ時期に私も採択が決まりました。アートサイトに関わりませんかという募集があったので応募し、厳しい面接の末取ってもらったという、雇われみたいな形です。肩書きも何でもいいと言われていて、ずいぶん悩みましたが、行政っぽい事業でもあるから固い感じの方が良いと思い調査員にしました。

今井:冗談みたいな肩書きですね。

小川智紀(ヨコハマアートサイト)2.JPG小川:公式の肩書きはあるみたいですが、私としてはそういった気持ちで7月から横浜アートサイトの19団体のいろいろな現場を見せていただいています。元々は、ずっとNPOで10何年やっていて、民間の立場から、場合によっては行政が面白いことをやっているんだったらそこに関ってもいいだろうし、応援していくんだったら現場はこうなっていますということを伝えていかなければいけないなという気持ちでずっと仕事をしてきています。出身が演劇で、現在ST spot横浜という所に在籍しているんですが、劇場のスタッフというよりかは、この5年くらいは横浜市の皆さんとは学校に出かけて行くというプロジェクトを主にやっていました。その前は神奈川県との共同事業で同様のプロジェクトをやっていたので、もう10何年か教育委員会などの行政と組んで事業を行ってきました。芸術本体というより芸術と教育とか芸術と福祉とか、アートサイトも芸術と街づくりという側面があると思うんですが、そういったいわば地域文化のことを長年考えていたので、アートサイトにはずっと興味がありました。ようやく念願かない、今回関われることができてうれしく思いながらあちこち見て回っています。

今井:それでは、今日出席いただいている方々にざっと自己紹介していただきましょうか。

戸村孝子(舞台美術家.JPG戸村:鈴木忠志さん主催のSCOTという劇団で専属の舞台美術をしております。金井さんの子供時代を知っているということもあり、今まで何回か都筑の展覧会を見させてもらってます。こういう空間で展示をするというのは、私も屋外の舞台を手がけたことがあるので分かりますが、静かな部屋で展示するよりものすごく力がいりますね。パワーがないと場所に負けてしまうんですね。書道庵の子供の字を見てまず思うのは、教室などで書いたらこういう字にはならないということですね。騒音とか街の動きの中で文字が息づいています。今回なんかはすごく面白くて、子供たちのためにこの柵を取ってしまいたいくらいですね。

金井:え〜実は戸村さんは、私が子供の頃に通っていた絵画教室の先生です。いろいろ握られているところもあります。

黒田景子.JPG黒田:地図をつくる会社に勤めています。戸村さん、金井さんとある企画を一緒に進めています。会場に入った瞬間に子供が熊の作品に駆け寄っていきなり背中に乗ってるのを見て面白いなーと思いました。

青木:横浜アートサイトの運営をしている青木です。都筑には去年も来ていて、今年は一段とグレードアップしていて良かったです。

松本光世(さかえdeつながるアート).JPG松本:「さかえdeつながるアート」の松本です。先ほどお話にありましたが2008年の横浜アートサイトの最初の時から運営に携わっています。もともとアート活動はしていたんですが、栄区には寝に帰っているだけで地域の活動には全く関わっていませんでしたが、このアートサイトのお話をきっかけに地域の方々といろいろな活動をするようになって来ています。

今井:ありがとうございました。街中でやることについてはいろいろな可能性があると思っていて、個人的に今興味があるのはグラフィティーなんですね。いたずらの落書きみたいなものを何か違うかたちの表現に進化させられないかと思っていました。ここは新たな表現の可能性を感じさせてくれる場所です。

藤林:この場所は、これまで活用されてはいませんでしたが、隣にあるような駐車場や商業店舗として使われる可能性はあるようです。

小川:ちょっと整理させていただてもいいですか。僕自身はこの辺はあまり来るところではないんですが、やはり役所としては1965年の港北ニュータウン開発から見ないと分からないのかなという気がしてます。港北ニュータウンの開発というのがセンター北の第1地区とセンター南の第2地区というのがあってそこでは商業的な開発が進んでいった。センター北駅、センター南駅は開業したのが1993年なんです。ここを通る遊歩道、みなきたウォークは2006年に開通しています。つまり駅はとにかく先に開けておいてということで開発が進められて来た。夏にこのみなきたウォークを歩いてみたんですが、あんまり人通りもなく、近所の人に聞いても、電車賃浮かす時に歩いたりする程度とのことでした。基本的にはそんなにみんなが使うような場所ではない。確かに「みなきたウォーク」って良い名前を付けたと思うんですけど、街全体で見ると車道の充実ぶりに比べて歩く道があまりないという印象があります。子供たちもワーって走ったりしたいんでしょうけどあっちもこっちも車道で危ないですしね。ちょうど真ん中のここがぽっかり残されているっていうのがあるんだろうと思うんです。センター南とセンター北のタウンセンター地区の商業開発だけとにかく先にやって、南と北の間の地区が取り残されているんですよ。中央地区が残されたのは何故かと言えば、早渕川があるからですよね。川があるために一体的な活用ができずにあっち側とこっち側で分断されてしまうんですよね。やはりここは行政が整備してきたところもあるから影響が甚大で、ずっと後回しになってきたというところがあります。近年になってようやく交通局もここの下の活用に着目しているようで、「センター南北駅間高架下等有効活用の基本構想」というのが今年の1月に出ているんですよね。だからようやくここマズくない?という話になって来て、どうやって使おうかという話にもなってきつつある。その流れの中に都筑アートプロジェクトの活動が軌を一にしてあるという状況なんじゃないかと思います。

今井:最初は、駅から大塚歳勝土遺跡公園での展覧会への誘導プランとして始まり、昨年から展覧会会場として駅と高架下を一体で活用出来るようになってきたというのは面白い流れだと思います。

金井:私たちとしては面白い場所が空いてるから使わせてもらおうか、というノリでしたね。

藤林:面白いと思います。今センター北祭りというのがあるんですが、以前はセンター南で行われていて、元々は東方公園で行われていたという経緯もあるので、このプロジェクトの中でもっとセンター北と南というのをつなげて行くという動きがあってもいいと思うんです。もう一つは、目の前の歴博の駐車場や仮設の「夢スタジオ」のある所がニュータウンの文化施設用地じゃないですか。そことつながってもいいんじゃないかと思います。夢スタジオは昔私が手がけたもので、あれがなかったらどういうかたちになったか、なかなか難しい要素があるからあまり言いませんが、地元では今「文化施設プロジェクト」というのを立ち上げて轟々としているようです。

小川:区民文化センターなんかできたらいいですよね。

藤林:緑区には最近「みどりアートパーク」ができましたね。

金井聰和.JPG金井:今、藤林さんからセンター北と南をつなげて行く動きがあってもいいんじゃないかというお話がありましたが、私たちも今年初めぐらいからその辺りを検討していたところでした。運良く今月オープンするセンター南駅前のサウスウッドからオープニングイベント参加のお誘いを受け、2日間来場者向けにワークショップをする予定です。これで北と南をつなぐ一歩になると喜んでいました。ちょっと残念だったのがサウスウッドのオープニングが少し延びてこちらの展覧会と重ならなかったことなんですが、今後の活動の幅を広げられる可能性を感じました。それから、先ほど藤林さんから遺跡のフィールドから街中にシフトしてエリアが小さくなったのが気になる、という点をご指摘いただきましたが、まさにその点は私たちが課題としているところです。去年今年と展示会場は駅高架下に移しましたが、ワークショップやライブなどは引き続き大塚遺跡で行っていますので、活動のエリアはむしろ広がってきたという面もあるんです。私たちがこの活動で見出している意味というのは、ざっくり言うと遺跡と街の関係性から物語を紡ぎ出すという点にあるので、展覧会の比重が、街と遺跡どちらかに偏って見えては欲しくないということはあります。出来れば良い形でつなげて一体化したいし、そのための展覧会だという意識があります。しかし実際には、マンパワーにも資金にも限界がありますので、どちらかに比重を置かざるを得ないというジレンマはありますね。地図の上では商業地区と遺跡公園は隣り合っていて行き来が楽そうですが、地形的には結構落差があって、発掘された大塚遺跡の真ん中辺からノースポートの辺りに掛けてズバッと削られて切り通しみたいになっていて、一体化が難しい要因にもなっています。しかし逆に遺跡と街中の地形的な落差がこの街の面白さでもあります。遺跡と街の微妙な隔たりが、戦後とそれ以前の歴史的な時間の断絶感と重なるところがあって、それが魅力かなと思ったりもします。

今井:遺跡公園って街中から見ると入り口がないように見えるんです。あるんだけど隠し扉みたいな入り口しかないから、あっちをメイン会場にするとしたら本当に動線が大事だなと思いますね。ただ遺跡公園で3年活動した経験は大きくて、その時に考えたことや経験が去年と今年の活動に活かされていることは確かです。高架下でも遺跡でも展示が出来て、来てくれたひとにあっちでもやってますとか案内できたら、すごくつながりが出来ていいですよね。

藤林:遺跡と街、両方の異空間に作品が展示される、逆コンセプトで両方の場所を使えないかなと思ったことはあります。違う世界をつなげていけるというのがこの地域の特性の一つじゃないかと思います。

戸村:以前遺跡公園で見せていただいた時のほうが作品が場所になじんでいたという印象はあります。今回のこちらの作品をむこうに持って行ったら全然イメージが違って来るでしょうね。例えば、同じ作品を遺跡と高架下の両方で同時期に展示したら、見え方が比べられて面白くないですか?

金井:すごい!それは斬新なアイデアですね(笑い)。

今井:それが出来たら面白いでしょうね。

戸村:よく外国人の学校で子供を美術展に引率してるのがありますが、ここでも地元の小学生なんかを連れて来たらいいですよね。こどもをもっと鍛えて欲しいというのがあります。

藤林:例えば、アートサイトからでもいいんですが、ここからアウトリーチして教育プログラムをやって欲しいんですね。ここに出品している作家が見に来た生徒のいる学校に出向いて、一緒に作品をつくって感動するということがもっとあっていいですね。アートっていうのは創造性だと思ってますから、今価値観の違いがいじめにつながる問題なんかもあるんだろうけど、創造性という全然違う発想でいろんなものが作れるということが実体験で分かるということが子供たちに必要だろうと思います。学校では同じ答えじゃないとマルがもらえませんが、アート作品ではいろんな答えがあっていい。そういう活動を教育プログラムに期待しています。

小川:そうですね。学校っていうのも大事ですが、確か都筑アートプロジェクトの皆さんが夏にセンター南で「トマト祭り」というのに参加されてましたよね。

今井:地域のNPO団体主催のお祭りですね。

小川:そこでみなさんが大勢の子供たちともみくちゃになりながらワークショップをしてたのをぼく後ろの方から拝見してたんですが、行ったら予想以上に子供が多くて、こういう場所から活動を広げて行ってくださるといいかなと思いました。子供がいろんな場所に意外といるんだなと分かりました。

戸村:学校から放課後預かる学童があるでしょ。そういうところから課外授業で連れて来たらいいですね。

今井:期間中来てもらったらいいですね。松本さんは実際そういうところでお仕事されているんでしたっけ?

IMG_3205.JPG本:仕事では障害のあるお子さん対象の放課後造形教室をやっています。ボランティアさんがいて安全の確保が出来ればそういう課外授業をやりたいと思うひとはいっぱいいると思います。他で個人的にやっているところではなるべく学校でやらないことをやっています。

小川:学校と家庭と地域とってよく言われますが、地域って具体的にどこなのっていう話で、その中の一つが土日はなんかこの辺でなんかしてるっていう、ガキンチョたちがいつもいれば、、、

戸村:遊んでないですよ。どこにいるんだろう。

青木:塾ですよね。お稽古とか。

戸村:それを連れ出したいですね。

松本:そうですね。ここも安全が確保されれば自由に入ってもらえるんでしょうけど。

戸村:今は親がうるさいですね。危ないところに連れ出すなって。それが大変ですね。金井さんなんかしょっちゅうあちこち連れ出してましたけど、親が誰も何も言わなかったですよ。今はそこがやりづらいとこですよね。でもこういうところに連れ出したいですね。

松本:遺跡公園と比べていかがでしたか?

今井:今回こういう人が大勢通るところでやらせてもらったんですが、見てくれる人の数が桁外れだったというのが大きいですね。

戸村:のぞいている人たくさんいましたね。あと展覧会らしくなく作品が置いてあるから、何だろうと気になるんじゃないですかね。何か捨ててあるのかな、とか(笑い)。そういう面白さがありますね。

松本:いつもどなたかいらしたんですか?

金井:土日だけ中に入れるように入り口を開けたんですが、その時受付と見回りで2、3名ずつ着くようにしました。

今井:土日だけでもなかなか大変でしたね。一人だととても手が回らないです

小川:でもうまくボランティアの方たちが来てくださっているようですね。

今井:そうですね。埼玉から来てくださった方もいます。書道庵担当の川口さんのお友達です。川口さんはお子さんが小さい頃からいろんなワークショップに参加していて、どういうワークショップが面白いとか良くご存知の方です。今回このワークショップの話をしている時、私書道5段なのっていうのを聞いて、じゃあお願いしますということになりました。

IMG_3208.JPG藤林:なかなかこの地域でボランティアを一緒にやってくれる人って少ないんじゃないですか?

今井:そうですね。現状で言うと、興味もってくれたひとに実行委員をお願いしてる感じですね。

戸村:以前STspotの活動をした時は、立ち上げから大変だったんですけど、町内会の会長さんと仲良くなって見に来てもらったり、地域のおじさま方やご夫人方に受付やってもらったりしましたので、ここもそういうアプローチが必要かもしれませんよ。

藤林:商工会の皆川会長とお知り合いですか?

金井:展覧会前に一度お会いしました。

藤林皆川さんは結構協力してくれる方だと思いますよ。やはり今後はアーティストだけの運営では成り立たないと思いますよ。色んな運営上の問題を考えた時、それを支える部分をつくっていかないと、広がりを持つまでに運営主体自体が心配になってくるんですよね。

松本:「さかえ」では、書類書くのがうまい方とかそっちのほうはすごく助かっているんです。逆にアーティストとしての活動はまだこちらのようには出来ないという状況です。

戸村:こちらのグループはいいグループですね。感心しますよ、作品のレベルも。

松本:普通はこんな面白いアーティストの方たちって、一人一人が面白いんだから、集まってちゃんとやっていくのって絶対大変だと思うんですけど、ちゃんとやってらっしゃるからすごいですよね、ほめてるんですけど(笑い)。

戸村:まず作品が大事だから、あとは簡単ですよ。ボランティアのひとも。一番大切なとこがちゃんとしてるんだから。

今井:そう言っていただけると気が楽になりますが、なんか永遠のテーマみたいになって来ちゃいましたね。

今井:それではまとめとして、この展覧会でも都筑アートプロジェクトというグループ全体でもいいんですが、良かったところと悪かったところをおしえていただけませんか?

藤林:あのー先に良いところ言いますとね、ある面こういう場所を使ってやった良さはあると思います。なんというか新たなチャレンジをやっているという風には見えるんですね。で、悪かったという意味ではないんですが、先ほども触れましたが、やはりこういったかたちの街中でやる展覧会としては、もうちょっと地域を巻き込んでやるようなことがもっと欲しいところです。せっかくこういうことをやっているにも関わらず地域の商店街が何かつながってくれているのが感じられないところがありますね。せっかく展覧会を通してこの地域のコミュニティーとか地域の住民とのつながりを求めているんだろうけども、そこがまだ上滑りになっている。そういったところがもっと出て来るとこの事業が地に足のついた、ある面この街にとって必要だと思わせて行くことにつながっていくんだろうと思います。

戸村:今、藤林さんがおっしゃったことに尽きると思います。地域の人たちが知るっていうことが大事ですね。中学生くらいの子供たちにもっと見て欲しい。それで地域とうまくつながって行って欲しいと思いますね。

黒田:そうですね。入り口の金網近くに動物が一匹でも置いてあるともうちょっと入りやすかったかなーと思いました。

青木:私は去年も見に来ているので、見せ方という点では、去年と比べて格段に素敵になってるなと思いました。駅の床に案内が貼ってあったりとか、矢印があったりとかして分かりやすかったです。あと去年と比べて外からどう見えるかということも考えられてますよね。一回夜中にここを通ったことがあるんですが、動物のシルエットとか見えて、あ〜何かやってるなというのが分かって面白かったです。

戸村:夜に作品をいたずらされませんでしたか?

今井:夜にはなかったんですが、一度区民祭りと重なった時、一日に千八百人来たことがあって、その時は、監視の目が行き届かず一部破損してしまいました。

IMG_3203.JPG金井:子供の行動って人数が多い程勢いが着くというか加速されるんですね。びっくりしました。

松本:前回のオープニングライブの時は、ちょっと迷ったんです。駅の人に聞いても分からなくて3人目のひとにやっとおしえてもらえたんです。途中からはフェンスのシルエットがここにもあそこにもと気付けて楽しかったです。駅から近いところにこんな場所を見つけて使えたというのがスゴい力だなあ〜と思いました。あと、もっと人が見に来ればな〜というのがありました。ボランティアさんも、初めはうちも鎌倉女子大の学生さんとかに声かけてもらったりしてたんですけど、学生さんは就職決まったら忙しくなるし、なかなか集めるの大変だったんです。やはりある程度ご年配の方で地域になじんでいる商店会の方とかは、一度つかんだら強い味方になってくださるだろうなと思います。「さかえdeつながるアート」の1年目は一軒一軒商店主さんのところに行って「怪しいものではありません」と事情を話してお願いしました。その時は、地域で顔の広い女性の方とかが間に入って助けてくださったりしました。

藤林:メディアへのアプローチはどうでしたか?

小川:タウンニュースに実行委員長の岡さんのインタビュー記事が掲載されました。

松本:「さかえ」では、ハマっこのお仕事しているひとがいて、子供たちに来て欲しいイベント情報は学校に配っていただいたりしました。

藤林:アートサイトでは学校へのPRはありましたか?

青木:文化施設へはありましたが学校へは情報は送っていません。

戸村:何かカンパの箱を入り口に置くとかはどうですか? 利賀村の鈴木忠志さんのところでは今年から舞台を全部無料にしたんです。その代わり入り口にカンパ箱を置いたんですよ。ご随意にという「ご随意箱」と名付けて。そうしたらすごい入ったんです。入場料どころではなかったんですね。

青木:やはり感動があると払ってくれるんですね。

今井:それは楽しいですね。

藤林:センター南で夏に星空のコンサートってあるの知ってますか?あそこも募金箱置いてあって結構入るそうです。

今井:それじゃあ次は募金箱ですね。

戸村:ちょっと面白くしてね。

金井:募金箱の展覧会とかやったりして。

今井:では小川さんからも伺えますか。

小川智紀(ヨコハマアートサイト)3.JPG小川:どういうレベルで捉えるかもあると思うんですが、やはり港北ニュータウンの地図が頭に浮かぶんですね。センター北、センター南という2つの中心があるんですが、本当の中心はどこかって言ったら北と南の真ん中のここなんですね。ちょうど北南で鉄アレーみたいな形してるんですけどその真ん中にアートっていうものがあるっていうのはスゴく嬉しい気持ちがします。可能性がすごくあるなと思うのは、先ほど中央地区っていうお話しましたけど、こういう地区全体がいろんな形の開発がなされているけれども、商業施設持って来て、まずそこで「にぎわいを創出して」っていうことであっちの駅とこっちの駅を作っていったと。で、この場所はそうじゃない開発の仕方をしたいというふうに街づくりの方では、なってるみたいなんですね。僕もそれに賛成で、商業を置いてとにかく人を集めてなんぼ、みたいなところから街をつくっていくやり方というのは間違いだと思うんです。そうじゃなくて、アートだったり、ここだったら川が近いですから、例えば早渕川の市民団体がいくつか活動していたりするみたいなんですが、そういうところなんかで、役所がやっていてこういうルートがあってといってたどって行くような動脈のルートじゃなくて、そこで子供が集まってなんかやっているんだったら時期合わせて一緒にやりましょうとか、いわば静脈のルートとして上からは見えないけれどちゃんと活動している人同士をつなげて行くようなやり方がここだったらできるんじゃないかと思いました。そういう期待を持っています。

今井:ありがとうございます。

金井:今日はいろいろなご意見を伺えて、より客観的にこの活動を検証できたのではないかと思います。是非今後の活動に活かしていきたいと思います。それでは、お忙しい中ありがとうございました。

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