すべての生物は太陽系の諸周期と歩調を合わせて『食と性』の位相を交代させる。動物では、この主役を演ずる内蔵諸器官のなかに、宇宙リズムと呼応して波を打つ植物の機能が宿されている。原初の生命球が生きた衛生〟といわれ、内蔵が体内に封入された〝小宇宙〟と呼びならわせるゆえんである

あたま〟は〝こころ〟の目ざめを助ける。それは遠く指差しに源を発し、ついで言語習得の覚束ない舵を取りながら、やがて独り言が無声化してゆく三歳児の世界でついに一人立ちし、ここに『自己』が産声を上げる。後年『自我』の跳梁に虐使される歴史人が、深い郷愁の念をもって振り返るのが、あの先史時代であるが、三歳児の世界は当時のおもかげを再現するのではないかと思う。

『内蔵とこころ』三木成夫・著

crow 48 violet.png






zero fighter blue violet dark.png