脳幹の領域には、十二対の神経(脳神経)が出入りする。これは、頭部の動物性感覚と運動(眼、鼻、耳の感覚と、目・舌・くびの運動)、および吸収系の植物性感覚と運動(顔面・消化—呼吸系の感覚と運動)をつかさどる。

この主として動脈支配の神経系は〈交換神経〉とよばれるが、これによって内外のもろもろの変化は、血管運動という別の形に翻訳され、ここからいわゆる心の動きという、特に人間において豊かに発達した表現運動が見られるようになる

延髄は中枢神経系のなかで、脊髄とともにその歴史はもっとも古い。すなわちそれは、吸収系の入り口である鰓腸を支配する脳(鰓脳)として発生した

延髄は、陸上生活においても消化・吸収など植物性運動を支配するだけでなく、表情・発声など表現運動のたいせつな中枢となる。

『ヒトのからだ』三木成夫・著zero fighter blue.png

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